コンサル未経験者がコンサルファームで働くことで得られる5つの魅力

コンサル未経験者がコンサルファームで働くことで得られる5つの魅力

僕は多くの人にコンサルタントという仕事やコンサルティングファームへの転職にチャレンジしてほしいと考えていますが、その理由としてはコンサルタントとして働くことに多くの魅力があると感じているからです。

コンサルティングファームで働く5つの魅力とは

ここではコンサルティングという仕事を経験したことがない方々に対して、コンサルタントとして働く魅力をお伝えしていきます。特に事業会社とコンサルティングファームとの違いに焦点をあてながら解説していきます。

事業会社とコンサルティングファームを比較した時に僕が魅力的だと思う点は以下の5つに集約されると考えています。

  • 多様な業界・企業・テーマに関与できる
  • 経営知識やビジネススキルを習得できる
  • 他の業界と比較して高めの報酬水準
  • 成長しやすいチャレンジングな環境・風土
  • キャリアの選択肢を大きく広げられる

コンサルでしか得られない経験や知識・スキルがあり、しかも年収も大きく上がる。 様々なチャレンジができる環境で、その後のキャリアの選択肢も増えるという、とても魅力的な仕事・職場だと思います。

それでは一つずつ見てみましょう。

飽きることがない!多様な業界・企業やテーマに関与できる

まずコンサルの仕事の魅力は1番は何と言っても、様々な企業が抱える多種多様な課題解決に関与できることではないでしょうか。

僕はコンサル業界で10年近く働いていますが、これまでに以下のようなプロジェクトを経験してきました。

  • 官民共同での新規事業の立ち上げ支援(大手インフラ)
  • 10年後のビジョンおよび次期中期経営計画の策定(ゼネコン)
  • 非連続な成長に向けた事業戦略の策定(農業)
  • M&Aに伴う組織統合・PMI支援(外資系医療機器メーカー)
  • グローバル経営の高度化支援(大手自動車メーカー)
  • 事業撤退を視野に入れた事業評価・改革プランの策定(幼児教育)
  • 管理会計の仕組み整備とKPI設計(サービス業)
  • 人材マネジメント構想策定・人事制度の構築(大手不動産)

上記に挙げたものだけでもかなり幅広い業界・テーマだと思いませんか?

事業会社にいたら上記のような経験を積むことはなかなか難しいと思います。経営企画部や社長室などの企画系部署に長年いれば上記のようなテーマの一部に関わることはあるかもしれません。また非常に多角化した会社で事業を越えた積極的なジョブローテーションがあるような会社であれば上記のような幅広い業界に関与することもあるかもしれません。

しかし、上記のような様々な業界で、様々な事業フェーズや規模の異なる企業の、様々なテーマに、主体的に関与できるのはコンサルくらいしかないのではないかと思います。

上記のようなプロジェクトを3ヶ月~6ヶ月くらいの期間でどんどん実施していきます(長いプロジェクトでは1年以上続くものもありますが)。

そのため最初の1週間くらいは業界本を何冊も読んだり、インターネットで業界動向や将来性、企業の口コミなどを調べたりして非常に早いスピードでキャッチアップします。たいていプロジェクトが終わる頃にはその業界・企業についてかなり詳しくなっているということが多いです。

仕事が目まぐるしく変わるので、一つの会社で毎日同じようなルーティンワークを何年も繰り返すなんて耐えられない!という、良い意味で飽きっぽい人にはオススメです。

仕事をしながら経営に関する知識や高いビジネススキルを習得できる

様々なテーマと書きましたが、基本的には経営課題です。

そのため、どうしても企業経営に関する基礎的な知識が必要になり、否が応でも知識が身に付きます。というか、仕事をする中でどんどん身に着けていかないと生きていけなくなります。

  • 経営戦略・事業戦略
  • 会計・ファイナンス
  • 人事・組織
  • マーケティング
  • オペレーション
  • IT・デジタル

こういったMBAで勉強するような知識は一通り理解していかなければなりません。大学などで勉強するのも選択肢としては良いですが、お金をかけず(むしろ貰いながら)実践の中で学んでいくことが出来ます。

プロジェクトで各テーマについてかなり深く考えることになりますので、知識が知識として終わらず、自分の中で知識と経験が有機的に繋がり、本で読んだだけでは身につかない知見を身につけることができます。

また様々なクライアントと協働していくためには、どのような仕事・業界でも通用するビジネスパーソンとしての基礎スキルも必要です。

ハードスキルで言えば、

  • エクセルやパワポと言った資料作りに関するスキル
  • ロジカルシンキングやクリティカルシンキングといった思考系スキル
  • 統計学などをベースとした分析スキルなど

ソフトスキルとしては、コミュニケーション力などはもちろんのこと、

  • ファシリテーションスキル
  • プレゼンテーションスキル
  • 交渉力
  • リーダーシップ
  • チームビルティング
  • プロジェクトマネジメントスキル

他にも面白いところでは経営競争基盤の木村尚敬さんが推奨しているダークサイドスキルなんてものもあります。

コンサルファームによっても違いがありますが、昨今では中途向けの研修なども充実させているファームも増えていますし、グローバル展開しているファームではグローバル共通のe-Learningやシンガポールやオーストラリア、アメリカなど海外の拠点に行って受ける集合研修・カンファレンスなどもあります。

またコンサルティングファームに入るとホワイトボードの前に立ってファシリテーションをしなければならない場面も多々あります。研修で基礎を学ぶだけでなく、仕事をする中で自然と上記のようなスキルが身についていきます。

これらの知識やスキルを事業会社にいながら自力で身につけるのは正直不可能だと思いませんか?

例えば研修に限って言えば、コミュニケーションやロジカルシンキングなどは事業会社でも取り入れている企業が増えてきています。

ただ、経営に関する様々な知識や、ビジネスリーダーとして活躍していく上で必須となるリーダーシップやファシリテーションスキルなどは事業会社ではなかなか身につけるのが難しいと思います。事業会社だと上司や先輩の指示に従って仕事をしていくような仕事になると思いますので、若いうちはプレゼンやファシリテーションするような機会もなかなか無いでしょうし。

少なくとも事業会社にいた頃の僕には自力でこういった知識・スキルを身につけるのは無理でした。

お金を貰いながら、強制的にこういった知識・スキルを身につけられるというのは、非常に大きな魅力ですね。

他の業界と比較するとかなり高めの報酬水準


一般的にコンサルファームの報酬水準は事業会社と比較してかなり高めに設定されています。

日本のサラリーマンの平均年収は国税庁の民間給与実態統計調査(平成29年)によると、432万円(男性532万円、女性287万円)と言われております。民間の調査ではDODAのものが有名ですが、年齢別の調査では以下のような結果が出ています。

  全体 男性 女性
20代 346万円 367万円 319万円
30代 452万円 487万円 382万円
40代 528万円 583万円 413万円
50代~ 645万円 690万円 442万円

※doda平均年収ランキング( https://doda.jp/guide/heikin/age/ )より

それに比べてコンサルティングファームの報酬水準は、同僚・知人や転職エージェントから聞いた話、求人サイトで見たものをまとめると、概ね以下のような水準となります。

20代後半:600万円~1,200万円
(コンサルタントなどのジュニア~シニアスタッフ)

30代前半~中盤:1,200万円~2,000万円
(シニアスタッフ~マネジャー)

30代後半~:2,000万円~
(ディレクターやパートナー)

※各社の人事制度の違いや、転職時の年齢や職位、過去の経験などによって大きく異なる場合もあります。

外資系金融や総合商社などと比較するとさすがに勝てないこともありますが、日本の上場している大企業でも上記のような給与はなかなか出ないと思います。

サラリーマンとしての一つの壁である年収1,000万円に届くには、一般の事業会社であれば大企業であっても40代くらいになるのではないかと思いますが、20代後半や30代前半で年収1,000万円を目指せるというのは夢があると思いませんか?

ちなみにコンサルファームの場合は、あまり福利厚生などが充実しているということはありません。月給やボーナスなどでかなり多く支給されます(あと福利厚生ではないですが、金銭面での良いこととしては移動手段が基本タクシーだということくらい)。

僕はコンサルに転職する前は大手の人材サービス会社で勤務しており、会社の中では評価が高い方でしたが、それでも年収は400万円台前半でした。それが転職しただけで1.5倍程になり、5~6年程で約3倍くらいの給料となりました。

メーカーなどでは春闘のベアで数千円アップなどのニュースがよく流れていますが、自分の月給が1年で数万円アップしているのを見て、メーカーはなかなか給料が上がらなくて大変だなと思っていました。

働いている時間は正直言って非常に長いので、時給換算すると恐ろしいことになりますが、自分自身の市場価値を一気に高めるという意味では、コンサルで数年間働くという選択肢はありだと思います。

若いうちから急成長できるチャレンジングな環境がある

色々な経験が出来て、働きながら高いスキルや知識を身につけるが出来て、更に給与水準も高い、とここまでは良いことづくしのように見えますが、このチャレンジングな環境というのは賛否両論、意見が分かれるかと思います。

まずそもそもコンサル業界は全体的に若い業界です。代表が40代、50代ということもありますし、社員も若い方が多いです。そのため事業会社と比べると圧倒的に若いうちから色々なことを任せてもらえる環境です。

また事業会社と比べると圧倒的に中途社員が多く、先輩が後輩に対してイチから手取り足とり教えるということもあまりありません。

そのためコンサルティングファームでは、新人だから・若いから出来ないとか、やったことがないから出来ないといった言い訳が許されるような環境ではないことが一般的です。

入社した時からプロフェッショナルとしてのマインドセットが必要です。

そのような環境に加えて、仕事内容はクライアントのマネジメント層が検討する経営課題が多いので、クライアントのカウンターパート(直接やり取りする相手)が部長クラスであることも多いですし、社長や役員クラスと直接ディスカッションするなんてことも多々あります。

僕がこれまで経験してきたプロジェクトも、ほぼ全て役員級の人がどこかのタイミングで関与しています。プロジェクトオーナーやリーダーとして毎週定例会議で顔を合わせることもありましたし、プロジェクト開始から3カ月後の最終報告で報告相手として対峙するということもありました。

しかも検討・討議内容についても非常にシビアです。

相手はその業界・会社で20年働いている専門家で、しかも厳しい社内政治を勝ち進んできた役員や部長。下手したら自分の親と年齢が近いなんてこともあります。そんな彼らが解決できなかった問題に対して、分析結果を報告したり、今後の取るべき戦略・施策を提言したりすることになるわけです。

分析やシミュレーションには相当なレベルの緻密さが求められますし、戦略や施策には目新しさや彼らが気付かなかったような視点・示唆が求められます。

例えば、ある戦略を実行すべきかどうか意思決定する段階で、自分の計算したエクセルによる効果試算・シミュレーション結果を使う場合など、その数字がそのまま上場企業の数千人・数万人という従業員の働き方や日常業務に多大な影響を及ぼし、またその戦略の結果が市場で株価として反映され、世の中の投資家にも影響を与えるのです。

万が一、数字を間違えてしまったらと考えると恐ろしいですよね。

コンサルファームにおける1年は事業会社の3年だとか、5年だと言われることのは理由はこのようなことに起因しています。

上述したような非常にプレッシャーのかかる中で、年齢に関係なく個々人に大きな裁量(責任)が与えられ、プロフェッショナルとしてどのようなことに対しても出来ない・分からないといった言い訳は出来ず、結果が常に求められる。

コンサルファームと言うのはそんな職場です。

そのような環境だからこそ圧倒的に早いスピードで成長できるのです。

実際に僕は事業会社で4年間働いてからコンサルファームに転職しましたが、最初の1年間で前職の4年間分に匹敵するような様々な経験を積むことができましたし、能力的にも精神的にも大きく成長できたと感じています。これは周りにいるどの事業会社出身者に聞いても同じような返答が返ってきます。

加えてストレッチアサインといって、その人の実力よりも難易度の高い案件に敢えてアサインするということも多いです。非常にハイプレッシャーで、ストレスフルな環境ですが、そういったプレッシャーやストレスがかかる環境というのは人の成長を加速させます。

こういった環境で働くことに不安を感じる方もいらっしゃると思いますが、失敗したからと言って死ぬわけではありません。20代や30代の前半など、若いうちに一度くらいこのような環境に身を置いてみるというのも選択肢の一つだと思います。

ちなみにコンサルに転職して失敗したと思っても、他の業界に転職して失敗するよりも悪影響はあまりありません。それは次にお話する「ハブキャリア」によるものです。

将来のキャリアの選択肢を大きく広げるハブキャリア

前述したようなチャレンジングな環境に身を置くことに寄って得られるキャリアとはどのようなものだと思いますか?

コンサルから更に転職することが前提となりますが、5つ目の魅力はコンサルという仕事がその後のキャリアの選択肢を大きく広げられるハブキャリアであることです。

そもそもハブキャリアとは、世界中の様々な場所からそこを経由してあらゆる場所へ飛んでいけるハブ空港のようなイメージでキャリア・仕事を捉えることを指しています(コンコードエグゼクティブグループという転職エージェントの社長渡辺秀和さんの『ビジネスエリートへのキャリア戦略』という本に出てくる言葉で、僕はこの考え方に非常に共感しています)。

例えば、

  • 新卒ではメーカーで営業をやっていたけどマーケティングや新規事業に関わる仕事がしたくなった
  • これまでずっと人事の仕事をやってきたけど、実は会計やファイナンスに興味がある

というように、キャリアの方向性を大きく変えたい場合に、コンサルファームへの転職は有効となります。

事業会社にいると、所属している会社の業界や所属している部署の専門性などによって、将来取りうるキャリアの選択肢が限定されることになると思います。新卒の就職活動ではやりたいことが見つからなかった、そもそも就活に失敗したという場合にはハブキャリアを使って方向転換を図るのも良いでしょう。

ただし、コンサルとして何年か経験すると得意な領域・テーマが出てくるでしょうし、ファームによっては業界×サービス領域でチーム分けしていることも多く、経験するプロジェクトによってキャリアの方向性はある程度は決まります。

そのためコンサルファームに在籍している時にどのようなキャリアを積むかが大事になってきます。コンサルファームで主体的にキャリアを作っていく方法論は別の記事で書きたいと思います。

少し話がそれましたが、ハブキャリアとしてキャリアの選択肢を広げることができるということは非常に良いことだと思っています。

ちなみにコンサル経験5年程の知人が転職エージェントに登録に行ったら、500件以上の求人を紹介されたと言っていました。こうした数字を見ても、コンサルの経験はその後のキャリアの可能性を大きく広げられるということが分かっていただけるのではないでしょうか。

結局コンサル転職すべきか ≒ 転職に何を求めるか次第

いかがでしたでしょうか。

僕が、コンサル未経験で事業会社からコンサルティングファームへ転職することをおすすめする理由を分かっていただけたでしょうか。

コンサルタントという仕事の魅力が伝わりましたでしょうか。

ただ、全ての人にとってコンサルタントという職業に転職することが幸せかというと、そういうわけではありません。

個人的には以下のような人はコンサルタントに向いていると思います。僕の周りにはこういう人が多くいますし、コンサルタントとして活躍できる素地を持っていると思います。

  • 色々なことを経験したい人、飽きっぽい人
  • とにかく早くビジネスマンとして成長したい人
  • 将来は経営者や起業・独立を目指している人
  • 何でも良いので専門分野を持って自分の名前で勝負したい人
  • グローバルな仕事やスケールの大きな仕事がしたい人
  • 何に対しても負けず嫌いな人、挑戦することが好きな人
  • 就職活動で失敗してしまった人、やり直したいと思っている人
  • やりたいことは見つからないけど、今の仕事を続けるのは不安だという人
  • 不確実な将来に向けて個人として戦う力をつけたい人

またそもそも転職を考え始めた理由は人それぞれです。

上述した内容は、コンサルタントとして働く魅力やコンサルファームへ転職するメリットを一般的な視点から書いたものですので、「今回の転職を通じて自分は何を成し遂げたいのか=転職に何を求めるか」を踏まえて、まずはコンサル転職という選択肢が有りなのか、無しなのかを見極めてください。

例えば、もっとゆったりした職場で、とりあえず今が楽しければ良いというような人に対して、コンサル転職は全くおすすめしません。

自分自身を振り返り、改めて何のために転職するのかを考えてみてください。

今後、当サイトでも自己分析のやり方はもちろん、そもそも自分がコンサル転職に向いているか見極める方法、コンサルファームへの転職に向けて具体的なノウハウや、おすすめの転職エージェントなどもお伝えさせていただきたいと考えております。