知らないと絶対に損する!コンサル転職でエージェントを活用すべき理由と上手な活用方法
当サイトではコンサル未経験の事業会社の方がコンサルファームへ転職する際のノウハウ提供やサポートを行っていますが、基本的に転職に際してはエージェントを活用することを推奨しています。
今回は転職エージェントを活用すべき理由と、転職エージェントの上手な活用方法・付き合い方を解説していきます。
コンサル転職で転職エージェントを活用すべき2つの理由
一般的に企業の中途採用への応募ルートには以下のようなものがあります。
- 転職エージェント
- リクナビ・マイナビ等の求人媒体・広告
- 転職イベント・合同会社説明会
- 応募先企業のウェブサイト(採用情報ページ)
- リファラル(応募先企業の従業員からの紹介)
上記は採用コストの高い方から並べているのですが、本来、企業側からするとコストのかからない自社の採用情報ページやリファラル採用が望ましいため、一見コストの高い転職エージェント経由での応募は不利なようにも見えます。
しかし、未経験で事業会社からコンサルファームへの転職を目指すなら絶対に転職エージェントを活用すべきです。
その理由は大きく2つあります。
- 特殊な“コンサル転職”に対して豊富なノウハウ・過去事例を有している
- 多くのコンサルファームが転職エージェントに頼りきっている
特殊な“コンサル転職”の豊富なノウハウ・過去事例を有している

詳しくは別記事でも解説しますが、事業会社と比べてコンサルファームの選考は特殊なものが多いです。
例えば書類選考ですが、事業会社からコンサルファームへ転職する場合、履歴書・職務経歴書に加えて、結構な頻度で志望動機書を求められます。なぜコンサルファームへの転職を希望しているのか、またコンサルになって何がしたいのかを書く書類です。
実際に面接まで進むと、志望動機や強み・弱みを答えるような一般的な質問ではなく、ケース面接と言って、「〇〇会社の売上を2倍にするにはどうすれば良いか」「バスには何個のゴルフボールを入れることができるか」というような、ある問題を出されてそれに対して回答するという特殊な選考が入ることが多いです。
転職エージェントを利用した転職活動をおすすめするのは、こうした特殊な選考への対策・ノウハウを持っているからです。転職エージェントによっては志望動機書のレビューをしてくれることもありますし、ケース面接の練習相手になってくれることもあります。
僕が実際に転職活動をした際には、複数の転職エージェントに志望動機書を見てもらい、様々な意見をもらうことで志望動機書を完成させました。
また企業によっては選考を受ける時期が近いと、同じケース問題を出題していることも稀にあります。担当してもらっている転職エージェントが、同じ企業に対して別の候補者を紹介していた場合、その候補者が受けた問題をこっそり教えてくれるエージェントもいます。
さすがに同じ問題が出るということは実際には少ないのですが、その企業の出題する問題の傾向などだけでも事前に知っておくと準備がしやすいので選考通過率は高まります。
ちなみに転職エージェントに限ったことではないですが、多くの人に客観的な目で自分の職務経歴書を見てもらうことや、面接の練習相手になってもらうことはおすすめです。
本サイトでもそういったサービスを行っていますので、詳しくはお問い合わせください。
人手不足で効率重視のコンサルファームは転職エージェントに頼りきっている

これは少し分かりにくいのですが、順を追って説明していきます。
昨今の好景気の影響も多少ありますが、コンサル業界では常に積極的に人を採用しています。
その理由としては、人材の流動性が高く、他の業界に比べて離職率が高い点も挙げられますが、そもそもコンサルファームが拡大・成長するためには人を増やしていかなければならないからという点が大きいです。
コンサルティング業界のビジネスモデルを考えて頂ければわかりますが、基本的には人によって成り立っているサービス業です。どんなにプロジェクトが受注できたとしてもそれをデリバリーするコンサルタントが不足していたのでは全く意味がないのです。
そして単純に頭数が必要というわけではなく、コンサルという仕事ができる程度に思考力があり、仕事に対する情熱やタフさを持っている必要もあります。
一方でコンサルファームは、クライアントにコンサルティングをする仕事ですので、社内も効率化が進んでいることが多く、間接部門の人数が少ないため、選考できる人数も限られています。
出来る限り効率的に、質の高い人材を出来る限り多く採用するためには、多少お金がかかっても、転職エージェントのように1次フィルターが通るサービスの方が好まれるわけです。
また実際に僕が所属しているファームのパートナー陣と話していると、「転職エージェントから紹介された人にはまず会ってみることにしている」という意見を聞くこともあります。このような意見があることからも、どれだけコンサルファームが転職エージェントを信頼しているか、お分かりいただけますでしょうか。
その頼りきっている状況を逆手に取るというわけではないですが、転職エージェント経由で受けた方が書類選考の通過率が高まることも多いのです。
業界未経験の場合、書類選考で落ちてしまうことも多いので、まずは会ってもらうためにも転職エージェントを活用するのが良いのです。
人材紹介は高コストだがコンサル転職では不利にならない
最初に書いた通り、企業にとって人材紹介の活用は金銭的な負担が大きいですし、高いお金を払う分、厳選して使おうとするところが多いです。そのため一般的には転職エージェント経由の方が採用ハードルが高くなることもあります。
しかし、これまで書いてきた通り、コンサルファームには高い紹介手数料を支払ってでも転職エージェントを活用する理由があり、実際にどこのコンサルファームでも多用しているのが事実です。
そのため、コンサル業界への転職においては、高コストであることはあまり不利にはならず、むしろ応募する側から見ればメリットしかないようなものなのです。
複数の転職エージェントの活用で得られる4つのメリット
コンサル転職において転職エージェントを活用いただくメリットはご理解いただけたと思いますが、どのように転職エージェントを活用すれば良いでしょうか。
ずばりそれは複数の転職エージェントを並行して活用することです。
そもそも転職エージェントを複数同時に活用して良いものなのか?と心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、結論から言うと全く問題ありません。
転職エージェントに登録して実際に面談に行くと、他の転職エージェントの活用有無を聞かれ、活用していない場合は登録しないよう言われることがあります。
これは、人材紹介ビジネスでは、企業に対して求職者を最初に紹介したエージェントに紹介手数料を支払うルールになっているからです。そのため転職エージェントからすると出来る限り自社経由で選考を受けてほしいという思考になります。
転職エージェントは、各種調整のしやすさや効率性、企業を受ける優先順位のコントロールなどの観点から、エージェントを1社だけに絞った方が良いと言います。確かにそういったメリットもあるのですが、複数の転職エージェントを活用した方が多くのメリットを享受できます。
具体的には以下のような4つのメリットがあります。
- キャリアアドバイザーとの面談をうまく使えば自己分析の深掘りができる
- ターゲット企業・求人について複数エージェントから情報収集ができる
- 選考の通りやすい転職エージェントを見極め、有利に選考を進められる
- 条件交渉は複数のエージェントに競わせると有利に進めやすい
キャリアアドバイザーとの面談をうまく使えば自己分析の深掘りができる

これは主に大手の転職エージェントを複数使うと享受しやすいメリットです。
大手の転職エージェントには面談の質が高いキャリアアドバイザーが一定数いて、面談ではかなりの過去まで遡って経歴や経験を聞き出してくれることが多いです。
話しているうちに自分が大事にしている価値観や何かを選択する時の考え方などが何となく見えてくるのですが、優秀なキャリアアドバイザーはそれを明確な言葉で、価値観の優先順位として見える化・整理してくれるものです。
基本的には転職エージェントに行く前に軽くでも良いので自己分析をして、自分が次に何をしたいのか、転職で何を実現したいのか考えておくと良いのですが、キャリアアドバイザーと話すことでより深く自分自身を理解することができるようになります。
今回の転職がはじめての転職である場合や、就職活動に失敗したと感じている場合には、転職すべきかどうか慎重に考えた方が良いので、自己分析をきちんとやることをおすすめしています。
逆に中小規模の転職エージェントには、面談時のヒアリングをあまりせず、すぐに求人の紹介に移るようなところもありますので、そういう意味でも複数の転職エージェントに話を聞きに行ってちゃんとした面談を受けられると良いです。(転職エージェントは登録者に転職してもらわないとお金が入ってこない仕組みなのでそういったエージェントの考え方も分からないわけではないですが)
また自己分析をしっかりやるという意味では複数の転職エージェントに行く以外にも、例えば現職と関係のない第三者の知人に相談することや、有料のキャリアカウンセリングを受けることを考えてみても良いと思います。
ターゲット企業・求人について複数エージェントから情報収集できる

複数の転職エージェントを活用していると、同じ企業・求人を紹介されているはずなのに、求人票に記載されていることが異なるということがよくあります。
転職エージェントが悪意を持って嘘の情報を伝えるということはほとんど無いと思っていただいて良いですが、転職エージェントごとの紹介実績の差や体制の違いが、 情報の鮮度の違いや 情報格差につながることがあります。
コンサルファームでは一般的に数社~十数社、場合によっては百社ほどの転職エージェントと付き合いがあるところさえもあります。
その企業に対して紹介実績が多い転職エージェントは、普段からよくやり取りをしているので情報が常に最新になっていますが、エージェントによっては最新の求人情報をもらえていないところも出てくるのです。
また、過去に紹介して入社された方から聞いた話を、参考として求人票に掲載しているような転職エージェントもあります。そういうところから情報の違いに繋がっていくのです。
エージェントによっては、法人担当の営業が求人案件についてヒアリングを行って、それをもとに求人票を作るという体制をとっているところもあります。そのため、営業担当の能力・スキルによって、求人情報が多くなったり、逆に少なくなる場合もあるのです。
出来ればエージェントから送られてきた求人票を見るだけでなく、応募前にその企業の営業担当に話を聞くことができると良いです。求人票には出ていない情報も聞き出すことができます。
企業や求人についての情報の深さ・豊富さという意味では、大手転職エージェントは求人票がしっかりしていておすすめですが、エージェントによって持っている情報が異なりますので、やはり複数の転職エージェントから話を聞けると良いのです。
情報収集の手段は他にも色々ありますのでまた別の記事でも紹介します。
選考の通りやすい転職エージェントを見極め、有利に選考を進められる

実績の多い転職エージェントからの紹介であれば選考に通りやすくなる、という噂を聞いたことはありますでしょうか?実はこれは本当の話です。
過去に求職者の紹介・入社実績の多い転職エージェントほど、選考は通りやすくなる傾向になります。
その理由は2つあります。
一つは、求職者を紹介すればするほど転職エージェント側にノウハウ・知見が溜まり、その企業の選考傾向や対策がわかるようになるからです。
既に上述した内容とも被りますが、過去に何度も求職者を紹介しているエージェントでは、どのような経歴の人が受かりやすい、どのような受け答えをすると選考に通っているという情報を多く持っています。
そのため、過去の紹介実績があるほど対策も立てやすくなるのです。
もう一つは、入社実績が多ければ企業側から信頼されるので、「○○さん(転職エージェント)が紹介してくれるなら一度会ってみようか」となるからです。
人事担当者の方と話をすると、「書類を見て若干経験面が心もとないと思っても、信頼している転職エージェントからの紹介であれば必ず会うようにしている」という意見はよく聞きます。
また過去にその転職エージェントの紹介で入社した求職者の方がパートナーになっていると、最終面接者とのパイプがあることになりますので、そのエージェントだけは人事を通さずに最初からパートナーと面接してもらえるといったことも可能になります。
コンサルファームの場合は、人事担当者よりも所属チームのパートナーに採用の決裁権限がありますので、入社実績が多いエージェントほど、企業側とのパイプが多くなり、応募ルートを増やすことができるのです。
コンサル転職においては複数の転職エージェントに登録して、行きたい会社へのパイプが最も強いエージェントを見極め、効率よく転職活動を進めていくことができるのです。
条件交渉は複数の転職エージェントに競わせると有利に進めやすい

未経験からのコンサル転職の場合、条件交渉をすることは少ないのですが、複数エージェントを活用することのメリットの4つ目は内定時の条件交渉です。
複数企業から内定が出た場合、他の企業で内定が出ていることを転職エージェントに伝えると給与やランク(等級・職位)について交渉してくれることがあります。
ただ1つのエージェントのみ活用していた場合は、この条件交渉をきちんとやってくれないことがあります。
転職エージェントからすると、自社が紹介した企業から複数の内定が出た時点でどこでも良いから早く決めてほしいという思考になっていて、そこから条件交渉をして企業側の心変わりを招いてしまっては困るのです。
そのため、求職者側には「交渉したけれどうまくいかなかった」と言って、企業側には実は交渉すらしないという不誠実なエージェントも実はいます。
その点、複数のエージェント経由でそれぞれ内定が出ている場合は、転職エージェント側も他エージェントに負けないように真剣に交渉してくれますので、上記のようなことはまず無くなると思って良いです。
ただ、これは諸刃の剣で、交渉をしすぎると入社後の印象を落とすことや、無理に条件を高めた結果、期待値が高くなって入社後のパフォーマンスを求められる(=結果的に自分の首を絞める)ことにも繋がってしまうため注意が必要です。
また事業会社からコンサルファームに転職した場合、条件交渉などしなくても年収が上がることが多いので、そもそもこの4つ目のメリットが当てはまる人はあまり多くないかもしれません。
複数エージェントの活用で気を付けるべきはスケジュール調整と無断応募

エージェントを1社しか活用していない場合は、そのエージェントが企業との日程調整をある程度コントロールしてくれるのですが、複数のエージェントを活用していると、異なるエージェントから応募した企業同士の調整は自分で行うことになります。
A社・B社という2つの企業に応募したと仮定して説明します。
1社のエージェントから応募した場合、そのエージェントに面接希望日を3つほど伝えるとその3日程の中でうまくA社・B社とやり取りして調整してくれます。
一方、別々のエージェントから応募した場合、それぞれのエージェントに同じ面接希望日を同時に伝えた場合、A社・B社で日程が被る可能性が出てきます。これを回避するには、どちらか一方と先に調整する、もしくは別々の3日程(つまり全部で6日程)を提示するというやり方になります。
上記の例のように2社だけならまだ良いのですが、一般的には同時に5~6社程度は並行して受けることになりますので、多少パワーがかかります。
更にコンサルファームによって選考スピードや選考回数が異なりますので、選考スピードの早い企業への応募は後回しにする、などの調整も必要になってくる場合があります。書類応募の時点ではあまり気にしなくても良いのですが、1次面接を通過したくらいから意識すると良いです。
そのため、あまり多くの転職エージェントに登録してしまうと、転職エージェントとのやり取りばかりに時間がかかってしまい、選考準備などに費やす時間が減ってしまうため、選考に入る時点では多くても3~4社程度に留めておくのが理想的です。
ただ、転職エージェントを1社に絞った場合でも、日程調整についてあまり融通が利かない(よしなにやってくれない)場合もありますので、そこまで気にすることではないとは思います。
また特に小さい転職エージェントを活用する場合に気を付けるべきなのが、転職エージェントによる「無断応募」です。
「無断応募」というと非常に悪質に聞こえるのですが、エージェントによってはブラインドレジュメと言って「名前」、「連絡先」、「所属企業名」などをマスキングした職務経歴書を使って営業をすることがあります。
具体的には、「当社にこのような人材の登録があったのですが興味ありませんか?」と人事担当者に本人の書類を見せるのです。
人事担当者から「興味ある」「面接したい」という返答があった時点で、求職者側に「企業からオファーがあった」「あなたに興味を持っている・是非会いたいと言っている」と言って応募を促すのです。
上述した通り、1つの企業に対する応募は一人一回ですので、企業によってはブラインドレジュメによるエージェントからの提示を一回とカウントしてしまうこともあるのです。
これを防ぐやり方としては、エージェント登録時に個人情報保護に関する同意書に署名をするのですが、その際にブラインドレジュメであっても自分に無断で企業に書類を見せないように念押ししておくことです。
コンサル転職では2社以上の転職エージェントを活用すべき
未経験でのコンサル転職において転職エージェントを活用すべき理由、上手に複数のエージェントを活用する方法についてご理解いただけましたでしょうか。
転職活動に割く時間がある方は、7~8社ほど登録して最終的に2社に絞るのが良いでしょう。あまり時間のない方でも3社は登録して、同じように2社に絞るのが良いと思います。
ちなみに僕がコンサルファームに転職した当時は20社以上と連絡をとりましたが、 実際に書類応募の時点では4社に絞り、 最終的に内定が出るまでお付き合いしていたのは2社のみです。この2社とは転職後も節目節目で情報交換や相談をしています。
基本的に転職エージェントを活用するのは無料ですから利用して損するようなことはないです。
遠慮なく活用し、比較検討しながら使える転職エージェントだけに絞っていくというやり方が遠回りに見えて、実は一番良いのです。
次回は実際に僕がオススメする転職エージェントについてご紹介させていただきます。